カレーエンジニアのブログ

とあるエンジニアがカレーへの情熱を綴ります。

水野仁輔「カレーライス進化論」を読んだ

はじめに

このブログ全然更新しなくてすみません!悪気はないんです!年始からのカレーに対する熱量が低下したわけではなく、カレー食べには今でも定期的にやってるんですが、アウトプットするまでの熱量がないというか、他の音楽活動に時間を割いてとれてませんでした。

で今回カレーの本を読んだので簡単に書きます。

カレーライス進化論 (イースト新書Q)

カレーライス進化論 (イースト新書Q)

進化論というタイトルですが、東京オリンピックが決まり、日本のカレーをどう世界に伝えていくか、(は常に考えられているとは思いますが)その観点でもう一度どうやってカレーは伝わって日本独自に進化してきたか、そしてこれからどう発展していくのかをまとめたエッセイ。特段新しい考えかたはないと思います。

1章 日本のカレー、世界へ

ゴーゴーカレーココイチハウス食品を例にあげ、ジャパニーズカレーの世界進出の現状を取材に基づいて語っています。

しかしゴーゴーカレーのアメリカ 7店舗はすごいですね。

ニューヨークのゴーゴーカレーに関する記事もいくつか見つけました。

世界はこれに恋してる : ゴーゴーカレー ニューヨーク店/外国人の反応「とてもデカい!」

「日本のカレーライス」を熱愛する米国人記者が語る『ゴーゴーカレーNY店』|WIRED.jp

ニューヨークの『ゴーゴーカレー』に行ってみた / 韓国人や中国人にも大人気 | ロケットニュース24

しかしまぁ日本人である我々がわざわざ食べるかどうかは別として(おそらく同じ味)見かけたらついつい入ってしまいそうではある。

2章 インドからイギリス、日本へ

この章はよく知られている日本へどうやってカレーが伝わったかについて。スパイスを使ったインド料理から、インドを植民地としていたイギリスが均一的な味を作るためにカレー粉を発明し、それをベースにブリティッシュカレーを作った、という説が有力だ。

それよりも日本で爆発的にヒットした理由として「カレーの思い出」すなわちおふくろの味観点で分析しているのがなるほどと思った。外食会陰であるラーメンとの対比も納得。家庭でよく食べるし、給食でも食べるし、キャンプでも食べるもんね。。。

3章 カレー粉、カレールウの誕生

日本でどれだけカレーが食べられているかという分析と、ルウやレトルトカレーの存在についての考察。

カレールウにしろレトルトカレーにしろ日本の革命的な発明で、何十種類もスパイスをいれればいれるほど凡庸になってしまう。しかしココイチの理念がそうであるように「少数に刺さるとびきりうまいカレーより、万人が食べられる平凡においしいカレー」という考えが大切で、そういう意味ではカレー粉もカレールゥもその理念に貢献している。

個人的にもカレーって何でカレーなの?という点を明らかにするために、自分で作るときはルーもカレー粉も使わず、スパイスだけで作るようにしている。しかし平均的で、いつものあの味、を手軽に出すにはカレールゥは素晴らしい。だって入れて溶かすだけだもんね。。。

4章 日本での進化 多様性

ここでも日本でのカレー作り特有の技法について語られている。飴色玉ねぎ神話や、隠し味、前述したスパイスを多く含める方法等は世界的にも日本だけだという。

面白いと思ったのはカレー文化発祥をパターン分けしていた点。

  1. 自治体・行政主導型(よこすか海軍カレー
  2. 企業・専門店主導型(広島かきカレーなど)
  3. 自然発生・主導者不在型(札幌スープカレー、大阪スパイスカレー)

ご当地カレーとして地域的に発展したスープカレーの流行は確かにおもしろい。スープっぽいカレーはアジアのスリランカをルーツにしていそうですが、北海道の売りである野菜を大きく入れた点を考慮するとやはり独自に進化したと言える。

ちなみによこすか海軍カレーは食べたことがない。(横須賀には行ったことがあるが、海軍カレーブランドでないカレーを食べ、それが美味しくなかった。。。という苦い思い出がある)

5章 日本のカレーはどこに向かう?

ドリップカレーやカレーメシという近年日本 で起きたカレーのイノベーションを紹介しつつ、日本では食文化としてではなく「カレー」だけが伝わり、「カレー文化」が形成された世界的でも特異な点を指摘した。

個人的にはエピローグで書かれている、今後日本のカレー市場をもっと盛り上げていくために必要な5つの観点を抜粋したい。

  1. オープンソース
  2. プレーヤーの増加
  3. トライ&エラー
  4. イノベーション
  5. ニュースターの誕生

私がプログラマ(エンジニア)という点もあって、カレーのオープンソース化、すなわち誰でもカレーが作れるようにカレーがシステマチックに解剖され、誰でも作れるようにする、そうすればプレイヤーも増えるだろうという理念が本当にすばらしい。

水野先生のカレーの教科書は上記考えをもとに書かれた本。まだ100%理解するほど読み込めていないが、常に置いておき何度も読みたい本だ。

水野仁輔 カレーの教科書

水野仁輔 カレーの教科書

さらに上記1〜3を実践するために、自身で「AIR SPICE」という、スパイスとレシピを届けるサービスを立ち上げている。これは興味深い。さっそく1ヶ月やってみることにした。1月900円でSPICEとレシピつきはやすい。

www.airspice.jp

おわりに

久しぶりにカレーに関するアウトプットはしました。あの、全然覚めてしまったわけじゃなくて、熱はあるんだけど具体的なアウトプットをサボっていただけなのです!自分でカレー作って振る舞うカレーフェス主催したり、いろんな店食べに行ったりもしてるよ!ほんと!

というわけでAIR SPICE届いたらその実践でブログ書こうと思います!