美味しんぼ24巻でカレーの真髄(?)を学ぶ 〜カレー粉とガラム・マサラ〜
はじめに
美味しんぼ24巻、カレー好きの中では有名(だということにする)まる一冊カレーのことが書かれた巻です。
- 作者: 花咲アキラ,雁屋哲
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/01/01
- メディア: Kindle版
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父親がコンビニに売っている漫画のベスト版みたいなのをよく買ってきてて、それなら原作買えよ、と思いつつ、まぁトイレにあったのでなんども読んだ覚えがあります。カレーが好きになってからあらためて読み返しました。
この物語自体の紹介はしないので実際に読んでもらうとして、登場する言葉やスパイスにフォーカスをあて、カレーの歴史を探っていこうと思います。
カレールウ
バーベキューでカレーのルーから作るだの玉ねぎ炒めるだのカレー粉を使う使わないで大揉めして肉野菜炒めを食べる羽目になった一行。そもそもカレールウってなんだっけ?というお話です。
カレールウは溶かせばすぐさまカレーに変わる、超便利アイテムですよね。内容を見てもとろみを出すための小麦粉、そしてカレーの要素の1つであるスパイスが入っています。
カレーの歴史は1858年の海軍からはじまると言われています。本書でも語られていますが、カレー粉はイギリスを通じて日本に入ってきました。イギリスはインドのようにスパイスを調合することは難易度が高いと感じ、ガラン・マサラをヒントに画一的なカレー粉を作った。それを日本がさらに改良し、溶かすだけでカレーとなる固形カレールウを開発したという流れのようです。
このへんはちょっと正式な文献を引きたいところですねぇ。
1950年に日本初の固形カレールウができたそう。
インドにはカレー粉がない
そう、カレー粉は前述の通り、イギリスで楽にカレーを作るために開発されたと言われており、本場インドでは各家庭でスパイスを調合し、各家庭それぞれの味があるため、カレー粉という概念がありません。
調べてみたところ、カレー粉という製品はないですが、特定料理向けのスパイスミックスは普通に売られているようですね。
ガラム・マサラ
ガラム・マサラの存在は一般にも広く知れ渡っていると思います。実態は何でも合う(?)万能ミックススパイスで、仕上げに風味を整えるときに使われるようです。
「うききーわからない!」などと苦悩しておりますが、実際両方スパイスミックスといえばそうなわけで、生まれが違うのではないでしょうか。カレー粉はイギリス生まれ、ガラム・マサラはインド生まれ。
モルジブ・フィッシュ
スリランカで突然登場するカツオブシらしき食材。スリランカカレーの重要な要素らしい。本当かよ。
スリランカにおける万能調味料のようですね。
カリの語源
タミル語の「kari」が訛ったものだと言われています。ソース、汁という意味。
本書でも語られていますが、インドにはカレーという概念がなく、このカリから転じて世界では「カレー」として広まっているって超面白い。「
スリランカにはカレー粉がある
あるのかよ。(笑)
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スリランカのカレーはカレー粉とココナッツミルクを使うのが特徴かぁ。食べてみたいね。
ガラム・マサラ
スパイスを調合して最後に使ってますね。もちろん、各工程でスパイスは使われます。元の味としての役割、香りとしての役割、最後の風味をつける役割とそれぞれ異なるのでしょう。
ガラム・マサラとカレー粉
風味を整える役割としてのインドのガラム・マサラをヒントに、画一的なスパイスミックスとしてイギリス人はカレー粉を開発した。だからやっぱりインドにはカレー粉という概念そのものがないといった感じですね。そしてカレー粉さえあれば(画一的ではあるが)カレーの味ができるというわけで大ヒットしたのでしょう。
チャック・マサラ
なんか亜種きた。「アムチュールの入ったマサラがチャック・マサラ!」ってガラムマサラは各家庭でいろんなスパイスを調合するからどこも違うんじゃなかったんかい。
ちなみにチャックマサラで検索をかけると美味しんぼの記事がトップにきますね。どうもチャートマサラの間違いのよう。
やはり酸味が強いらしい。
おわりに
究極のカレー回。カレーほど、海外から輸入した食べ物で日本に浸透した食べ物はない、のは納得です。カレー好きのかたは是非読んでみてください。kindleで読めますし、この巻で完結します。
他にもカレーのこと扱った漫画や小説があったら教えてください!